ポートフォリオは「一緒に働きたい」と思わせるためのもの
地方の小さなWebデザイン会社で働くデザイナーのBonです。
私は、現在のデザイン会社に入社してから、10名以上のデザイナー採用に関わってきました。数多くのポートフォリオを見てきた経験から、採用担当者はポートフォリオを通して何を見ているのか、そしてどんな人と一緒に働きたいと思っているのかをお伝えします。
採用担当者は、ポートフォリオを通して、単にデザインスキルを見るだけではありません。むしろ、「この人と一緒に仕事できるか?」という視点でポートフォリオを評価しています。
具体的には、コミュニケーション能力、問題解決能力、そして成長意欲など、デザイナーとして必要な要素を総合的に判断しています。ポートフォリオは、あなたのスキルや経験をアピールするだけでなく、あなたの人間性や仕事に対する姿勢を伝える重要なツールなのです。
選ばれるポートフォリオ、選ばれないポートフォリオ
では、具体的にどのようなポートフォリオが採用担当者の心を掴むのでしょうか? 私が実際に見てきたポートフォリオの中から、「採用したい!」と思うポートフォリオと、「残念ながら見送ってしまう」ポートフォリオの特徴を比較しながら解説します。
採用したいと思うポートフォリオ
課題解決能力が明確に伝わってくる
ただ作品を並べるだけでなく、「なぜこのデザインにしたのか」「どのような課題を解決しようとしたのか」が論理的に説明されていると、非常に好印象です。
ターゲットやコンセプトが明確
誰に向けて、どのような目的でデザインしたのかが明確に伝わってくるポートフォリオは、デザイナーとしての思考力やコミュニケーション能力を感じさせます。
熱意や人柄が伝わってくる
作品に対する想いや、デザイナーとしての目標などが書かれていると、その人の人間性や将来性を感じることができます。
残念ながら見送ってしまうポートフォリオ
作品だけが並んでいる
ただ作品を羅列しただけのポートフォリオは、デザイナーの思考や個性が伝わってきません。
説明が不十分
作品に対する説明が不足していると、なぜそのデザインにしたのか、どのような意図があるのかが理解できません。
誤字脱字が多い
誤字脱字が多いと、丁寧さや注意力に欠ける印象を与えてしまいます。
私の転職活動での失敗談
私自身、未経験からデザイナーに転職する際にポートフォリオを作成しました。しかし、当時の私のポートフォリオは、今振り返ると少し恥ずかしいものだったかもしれません。
転職当時の私は、「つまらない」と思われないように、自分ができる制作の幅の広さを見せて、凄そうに見せることに注力しすぎていたのです。チラシ、キャラクター、ロゴなど、様々なジャンルの作品を詰め込み、「作品集」のようなポートフォリオになっていました。
もちろん、未経験だからこそ、自分のスキルをアピールしたいという気持ちはありました。しかし、今思えば、それぞれの作品に込めた思いや制作プロセス、そしてそこから得られた学びなどを伝えることができていませんでした。
私がデザイン会社に入社できたのは、ポートフォリオの内容よりも、面接での「やる気」と「ポテンシャル」のアピールが大きかったのだと思います(笑)。

これはこれで大事なプレゼンですけどね…(笑)
ポートフォリオ作成のポイント
それでは、具体的にどのような点に注意してポートフォリオを作成すれば良いのでしょうか? 私が採用担当として見てきた経験、そして自身の転職活動の反省を踏まえ、ポイントを解説します。
デザインだけでなく、制作意図や考え方を説明する
ただ作品を並べるだけでは、あなたの思考プロセスやデザインの意図が伝わりません。それぞれの作品について、なぜそのデザインにしたのか、どのような課題を解決しようとしたのかを丁寧に説明しましょう。
例えば、「このポスターは、ターゲット層である若年層の関心を引くために、鮮やかな配色と大胆なレイアウトを採用しました」といったように、具体的な説明を加えることで、あなたのデザインに対する考え方が明確に伝わります。
ポートフォリオはプレゼン資料!ターゲットとコンセプトを明確に
ポートフォリオは、あなたの作品集であると同時に、あなた自身をプレゼンテーションする資料でもあります。デザインスキルだけでなく、コミュニケーション能力や論理的思考能力もアピールできるような構成にしましょう。
そのためには、誰に向けて(ターゲット)、どのような目的で(コンセプト)ポートフォリオを作成するのかを明確にすることが重要です。



例えば、あなたがWebデザイナーを目指しているのであれば、ターゲットとする企業のWebサイトを分析し、分析に基づいたデザインを提案として掲載するのも良いです。
作品だけでなく、プロセスや制作時間も記載する
完成した作品だけでなく、デザインの過程(ラフスケッチ、アイデア出し、試行錯誤など)も紹介することで、あなたの思考の深さや柔軟性をアピールできます。
また、制作時間や期間を記載することもおすすめです。作業効率や時間管理能力を示すだけでなく、プロジェクト全体のスケジュール感を把握できるため、採用担当者にとって貴重な情報となります。
これらのポイントを意識することで、あなたのポートフォリオはより魅力的なものとなり、採用担当者の心を掴むことができるでしょう。



ポートフォリオは、あなたの「デザイナーとしての物語」を語る場です。
反応がなくても落ち込まないで!
一生懸命にポートフォリオを作成し、応募した企業から連絡がない場合は、誰しもが不安になりますよね。「私のポートフォリオはダメだったのだろうか…」「もうデザイナーになるのは諦めた方がいいのかな…」そんな風に落ち込んでしまうかもしれません。
しかし、反応がないからといって、必ずしもあなたのポートフォリオに問題があるとは限りません。企業側が忙しくてまだ目を通せていない可能性もありますし、単純にその会社とあなたの相性が良くなかっただけかもしれません。
大切なのは、諦めずに応募し続けることです。そして、もし可能であれば、ポートフォリオを定期的に見直し、改善していくことも大切です。客観的な意見を取り入れたり、最新のトレンドを反映させることで、さらに魅力的なポートフォリオに進化させることができるでしょう。



落ち込まず、前向きにいきましょう!きっと、あなたにぴったりの会社が見つかります。
ポートフォリオの作り方まとめ
今回は、デザイナーの採用担当者としての経験を踏まえ、内定に直結するポートフォリオの作り方について解説しました。
ポートフォリオは、あなたの「デザイナーとしての価値」を伝える大切なツールです。ただ作品を並べるだけでなく、思考プロセスや課題解決能力、そしてあなた自身の魅力を伝えることができるように工夫しましょう。未経験からの転職は決して簡単ではありませんが、諦めずに挑戦し続けることが大切です。あなたの熱意と努力が、必ず誰かの心に響くはずです。
ポートフォリオ制作は、自分自身と向き合う貴重な機会でもあります。自分の強みや弱み、そしてデザイナーとしての目標を再確認することで、新たな発見があるかもしれません。ぜひ、この記事を参考に、あなただけの最高のポートフォリオを作成し、夢への扉を開いてください!



あなたの挑戦を応援しています!